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誰もが意味をほっする中で、私は真っ黒な車両に視線を投ずる。
観光名所もないナメタケ町に止まる移動機は、シイタケ町を見限った私たちを運ぶ。
身投げの場所と認めてしまうのは嫌だったが、シイタケ町に住み着いた異界の手によって身体を実験台にのせられるくらいなら、ナメタケ町に集まって、新たな世界を見る方が私としては生きているという自覚あった。
まだ、私は人間だ。
身体こそ改造され、思い出を捨ててしまった私だが、きっと私はまだ、壊れてはイナイ。
物を考え生きる力がある。
ナメタケ町で彼等とシイタケ町を忘れて、私の生活を楽しもう。
私の目的はそれ一点に絞られていた。
完
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