第1章

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どれくらい経ったんだろう。 あの入口を飛び出してから。 随分時間が経っている気がする。 目の前が真っ暗で、今どこなのかも 全然わからない。 でもただ一つわかるのは。 体が下に下に落下している感覚だけだ。 もしかしたら私はなにかを 失敗してしまっていて、こんな世界の狭間で一生迷い続けてしまうんだろうか。 そんな事を思っていた時だった。 目の前が急に。色づいた。 パッと。どこかの空間に放り出された。 あたり一面綺麗な青空。 遥か下には小さく建物がたくさん見える。 「やったぁ!!違う世界に来られたんだわ!!」 喜んだ瞬間にガクンッと体が傾く。 重力に従ってまっ逆さまに 自分が落ちているのがわかったのは かなりの距離を落下してからだった。 「きゃあああああああああああ!!」 あ!そうだ。慌てなくても大丈夫! もう少しで地面についてしまう、 という所で私は指をパチンッと鳴らした。 なにかに抱えられるように フワッと体が浮き上がる。 そのままゆっくりと地面に到着して 何事もなく私は地上に降り立った。 ふぅ....危なかった。 「うわ!?なんだお前!?」 え? すぐそばから誰かの声がした。 横を振り向くと、腰でも抜かしたのか 地面にへたりこんでいる男の子がいた。
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