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「....つまり。あんたは家出してきたってことなの?家出にしてはスケールでかすぎるけども。」
「だって!いきなり婚約者だなんて!!私にだって結婚相手くらい選ぶ権利はあるわ!お父様が納得してくれるまでは私絶対に帰らない!!」
第一私は今日16歳になったばかり。
これから恋だってきっとする。
ゆっくりと。誰かに恋をして。
お付き合いをして。結婚して。
そういうごく普通の恋愛が
できるものだと信じていた。
「....まぁ。あんたが言いたいことはわかるけどさ。でもそれで逃げてきたからって何か解決すんの?余計に事態が混乱してると思うけど?」
「だって....。どうすれば良かったのかなんて....わからないわ....。」
「あぁーもう。泣くなよなー....。」
男の子は服の袖で
私の涙を拭ってくれる。
拭ってもらっても、ポロポロと
涙は流れたままだけれど。
心は随分暖かくなった。
「あの....お名前は?」
「ん?俺?金子 真(カネコマコト)。」
「カネコマコト....。マコト様ね!ありがとうマコト様!」
「頼むから様づけはやめて!!」
この世界に来て、初めて
会ったのがマコト様で本当に良かった。
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