第1章

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「....つまり。あんたは家出してきたってことなの?家出にしてはスケールでかすぎるけども。」 「だって!いきなり婚約者だなんて!!私にだって結婚相手くらい選ぶ権利はあるわ!お父様が納得してくれるまでは私絶対に帰らない!!」 第一私は今日16歳になったばかり。 これから恋だってきっとする。 ゆっくりと。誰かに恋をして。 お付き合いをして。結婚して。 そういうごく普通の恋愛が できるものだと信じていた。 「....まぁ。あんたが言いたいことはわかるけどさ。でもそれで逃げてきたからって何か解決すんの?余計に事態が混乱してると思うけど?」 「だって....。どうすれば良かったのかなんて....わからないわ....。」 「あぁーもう。泣くなよなー....。」 男の子は服の袖で 私の涙を拭ってくれる。 拭ってもらっても、ポロポロと 涙は流れたままだけれど。 心は随分暖かくなった。 「あの....お名前は?」 「ん?俺?金子 真(カネコマコト)。」 「カネコマコト....。マコト様ね!ありがとうマコト様!」 「頼むから様づけはやめて!!」 この世界に来て、初めて 会ったのがマコト様で本当に良かった。
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