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「それはそうと・・・サチにお願いがあるんだけど。」
「何ですか? お願い、って・・・」
「あのさ・・・サチが付けてる携帯ストラップ。アレ、オレに1コくれない?」
サチに思いが届いたら、絶対に欲しいと思っていた、あのストラップ。
アレが、オレとサチのイニシャルなら、オレが1コ持っていてもいいかな?と、思って。
・・・すると
「あ、そうだった! 元々コレ、ツカサくんに1コあげるつもりで買ったんですよ!」
そう言って、サチは嬉しそうに「T」のストラップを外そうとした。
だから・・・
「そっちじゃなくて・・・こっち。」
オレは「S」の方を指差すと、サチの頬にチュッと唇を落とした。
「オレのは、サチが付けて。」
・・・そう言いながら。
そんなわけで・・・今、オレの携帯には、サチとお揃いのストラップが付いている。
あの日、タケルの「T」だと思い込んで、落ちるとこまで落ち込ませてくれたあのストラップが・・・(笑)
でも、ホントは、オレのために買ってくれたんだね。
その気持ちだけで・・・何だか、宝物のように思えるから。
「やっぱ、今日も泊まっていけば?」
そう言いたいのをガマンして・・・またオレは、優しくサチの唇を塞いだ。
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