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「話とは何だ?」
嵐蔵に言われて、カンナは我に返った。
「あ…俺、こいつと…エティア・ハーツと結婚することにしたから、その報告っていうか、一応言っておかないといけないかな?と思って」
和解したとはいえ、数年間会うことも無かった恐怖の対象に歯切れが悪いカンナに対し、嵐蔵は目を瞑り腕組をした姿勢を崩さない。
「初めましてではないし、私のことは知ってるでしょうから改めて自己紹介はしないけど、カンナと結婚することにしたので、よろしくお願いします」
相手がどんな人物だろうと物怖じしない態度で挨拶をすると、やっと嵐蔵が目を開けてエティアを見つめた。
「こんな親に対して怯えているような情けない男で良いのか?」
「そりゃ情けないとは思うけど」
「おい!」
エティアが肯定するので、カンナが止めようとしたがお構いなしに彼女は清ました顔で続ける。
「でも、カンナが良いんです」
ニッコリ笑って言われてしまったら、カンナは照れるだけで嵐蔵は少し呆れ顔。
「お熱いですねぇ」
俊哉の嫌味にも聞こえる言葉にも、エティアは笑顔を崩さない。
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