退屈から新鮮へ

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秋の休日 人口60人程度しかいない、リアス式海岸の入り組んだ地形に沿っている集落に住んでいる俺――海野 ショウ(うみの しょう)は高校の2年半の部活が終わって、もう2ヵ月が過ぎようとしていた。 自動販売機のジュースしかいつでも売っているものはないこの集落では、何も娯楽施設なんてあるわけない。 良くて釣りがすぐそこで出来るくらい だけど、釣りは趣味じゃない だからといって家にいても、つまらない。 休日は…退屈だ。 新鮮さがない。 唯一のここでの趣味は崖に行くことぐらいしかない俺は、今日もいつものように家から100メートルくらいの所にある崖を登り、平面なところで座り、じっと遠くを見つめていた。
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