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すると
「は?どの人っすか?あなた達以外誰も来てないっすよ?」
そんなはずはありません。
確かに私達は着物を着た女性から話を聞いたんです。
なおも食い下がると、
「ちょっとやめて下さいよ。僕明日の朝まで1人なんですから。」
と言われ、仕方なくサービスエリアを後にすることにしました。
帰りの車内は終始無言。
誰か何か言いたいんだけど、誰も何も言えない。
たまりかねたTは、カーステレオで当時流行っていたダ○スマニアってCDを掛けながら、へたくそに歌い始めました。
そのおかげで、場の雰囲気が少し緩み、
「さっきのやっぱり幽霊かな?」
とか
「店員とグルかもよ?」
とか軽口を叩きながらN市へ向けて再び走り始めました。
先ほどとはうって変わって満月が覗く、良い天気になりました。
しばらく走り、山道を抜けるとある交差点で信号待ちにあいました。
僕は何気なしにサイドミラーを除くと
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