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しばらくお経を唱え続けたお坊さん達でしたが、ふと諦めたようにお経を唱えるのをやめました。
それと同時に、鏡の中の女性も消えました。
放心状態のTの前に座りゆっくりと話し始めるお坊さん。
「すまん、ワシの力ではどうにもならんかった。やつの素性は分からんが、あまりにも現世への未練が強すぎてどうもならん、すまん。」
Tは放心状態なので、代わりに私はお坊さんに食い下がりました。
「何とかなりませんか?」
「ワシの知り合いにものすごい力を持った霊媒師さんがおられる。一応その人に頼んでみる。まああの人なら大丈夫じゃろ。とりあえず今日は2人共ここで寝ていきなさい。お前さんが持って来たモノ(CD)はこちらで何とかしよう。」
「・・・はい。ありがとうございます。」
その日は境内でTと一緒に寝たのですが、Tはあれ以来一言も言葉を発しません。
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