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女子寮
薄暗い廊下を、懐中電灯の光が照らしていた。
カンカンと、靴音だけが響いている。
静寂の夜、私は女子寮の管理人として夜中の見回りを行っていた。
季節は秋頃、羽織っていたベージュのカーディガンだけでは肌寒く感じた。
私が管理人を務めるこの女子寮は、大学の敷地内に建つ四階建ての薄桃色の寮だった。
今、私が見て回っているのは三階の廊下だ。四階から、階段を使って下へ降りながら、各フロアを巡回して回っていた。
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