第1章

5/42
前へ
/42ページ
次へ
なんとか濡れずに着けた ふぅ、と息を調えて、 指を伸ばして キンコン チャイムを押す 1拍後に聞こえてくるかすかな足音 トン、トン、トン......ガチャ 「やぁ」 とびきりの笑顔を浮かべる 「いらっしゃい」 リョウの頬がなんとなく緩んで見えるのは、 私の希望的観測だろうか その時、ぽつり ぽつぽつ 雨が降ってきた 本当にギリギリセーフだったようだ 「濡れなくてよかった」 と、リョウが言った 「うん」 私は、靴に手をかけた
/42ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加