第1章

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 考え事が終わる前に、はい、終わりという声が聞こえてきた。今まで自分で髪を切ってきた。美容室というものに来たのも初めてである。髪型というものに興味は無い。でも身だしなみをという学園長の言葉には意味が有るんだろう。  久々に自分の顔を見る事が出来た。八年振りである。ピンク色した唇の右下に黒子、目元にも泣き黒子。顔から見れるように、何処の肌も白く。目はくりりとした二重。顔の大きさは小さい。目以外のパーツは顔に合わせる様に作られている・・・写真で見た若い頃の母さんそっくりである。けれど、僕は男である。母さん・・・会いたいけれど・・・ごめんなさい・・・僕にはまだ両親に合わせる顔が無いよ。  身長146センチ体重36キロ。魔法を使うものの体力を上げて戦闘に向かうものも確かに居るが、僕と同じ学年で僕の様な貧相な身体をしているものは、居なかった。
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