第1章

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 僕は今年で十五歳に成る。僕の家系は昔から、有名な魔法使いを輩出してきた家系で、父の家系も母の家系も黒魔法に長け、三歳から黒魔法の基本を学び、基礎を覚え、繰り返してきた。小さい頃から父さんと母さんは厳しかったけれど、黒魔法の修練以外で厳しい事は無かった。  七歳になった頃、父と母のコネを使い、黒魔法を学ぶ学園、マジョッコ学園に入学し、今現在に至る訳だ。目の前に有る木片を、黒魔法で破砕するという事が今与えられている課題だったけれど。実際僕は集中し黒魔法を発動したはずだけど、木片に火の玉をぶつける事も出来ない有様。集中し、杖から出たのは、マッチによって起こされた小さな火であって、決して木片を破砕する事が出来ない代物だった。  「シフォンさん・・・今まであなたのお父様とお母様の力でここにいられる事が出来ました。ですが、これ以上学園に居る事は困難です。一度家に帰られてからご両親とお話しする事をお勧めします」
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