第1章

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 先生自身が今何を考えているのか分からないけれど。これから僕が前向きに進んでいく為に、思案しているんだと思う。でもね、僕はもう十分先生から暖かなものを貰っているんだ。それを大事にしているから、最後の一言を、吐き出した。  「パウンド先生?才能って、色々有ると思うんです。僕には黒魔法の才能が無かったけれど、僕は自分が無かった部分に後悔している部分は無いんだ?それは、パウンド先生がいてくれたからだよ?これから僕は自分の才能を活かせる分野を探し、努力を惜しまないつもりです。それは先生が教えてくれた事から僕が出した答えです」  伝わったかどうか分からないけれど、これ以上言葉を重ねても、お別れするのが悲しくないわけじゃないんだ。だから僕は、じっと僕を見つめる先生に深くお辞儀をして、先生に背を向けて走りだした。  「シフォンさん!!先生はずっと応援しています。だから何か有ったら頼ってきてください!!」
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