王様ゲーム

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(あ、僕この人苦手) 「やあやあ!鉤尾くん!突然呼び出してすまないねぇ!ハッハッハッ!!」 理事長は七三に分けられた白い頭を利き手なのだろうか左手で「申し訳ない」と言うように撫でて僕に話しかけた。 でも絶対反省してないよな。 「いえ、遅れてしまってすいません」 「そんなことはないよ。まだ約束の3分前だし!現にまだ1人来てないしねぇ!」 まだ来るのか。 今僕と理事長を抜いて体育館に居るのは、25人だ。 それはまったく知らない人も居れば僕が所属している部活の部長なんかも居たりした。 なぜこのメンバーなのか。なぜこの日に人を集めたのか。まったく、理事長の考えることはよく分からない。 僕は自分が有利に進むのが好きなんだ。正直この状態はあまり面白くない。 「…まだ来てないのって…」 僕が口を開いた瞬間、体育館の扉がバァンッと大きな音を体育館中に響かせ、ある人が息を切らし涙をボロボロに流しながら僕たちの前に出た。 「うわああぁああぁあん!遅れてすいませんでしたああぁあああぁあッゴフッ…ゲホッウエッ」 汚い。めちゃくちゃ汚い。 やっぱり。そんな気がした。 僕の前で泣きながらしかも死にそうな顔して喋っているのは、この学校で大切な存在でもある成門特殊専門学校高等部生徒会生徒会長。日高悠真だ。 この男は正真正銘の馬鹿で成門の全生徒は裏で彼のことを『バ会長』と呼んでいる。 というかもうただの馬鹿でいいと思う。こんなやつが生徒会長とか務まるのだろうか。
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