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「やだなぁ日高くん。落ち着いてよ。君遅刻してないしてない」
「え…本当ですか…?」
「うんうん!ほら涙をあともろもろ出てる体液を拭こうね」
「はい…っ!ありがと…うっ…ございますぅう……あああ」
「よしよし」
なにこの芝居。え、何なの。
どこのお笑いコントだよ。
「それでー…理事長サン。なんでアタシたちをここに呼んだんデスか?」
「…俺は分かりますよ?」
「え!分かるんデスか?」
「俺には…みんなの心の中が丸見えなんですよ…」
シーン.....
はっずかしい!!うわ、これすごく恥ずかしいやつだ…ドヤ顔で言ったのにスベる。これはすごく痛い。ものすごく痛い。
「…梁、少し黙って」
「…うん」
ピンク髪の高等部副会長がドヤ顔先輩の肩を優しくポンっと叩くとドヤ顔先輩は少し顔を赤くしながら扉のある所まで下がって座り込んだ。
えーーー、メンタル弱っ…
「あらら…福光くん拗ねちゃった?」
「…というか泣いてるだけだと思います」
「俺…ハンカチ貸してあげようかな…」
「か、会長!お気持ちは嬉しいですけど梁もそこまでしてもらう気はないと思います!」
「え…そう?」
「はい!」
そりゃあアンタの使ったハンカチなんか使わせたくないだろう。
「というかちょっと本題に入っていいかな?時間があまり無くって…」
「あ、そうだった!すいません遅刻してしかも理事長のお話を聞かないなんて…!」
「君遅刻してないけどね!うん。じゃあ簡潔に話すよ。あのね、実は君たちにお願いしたいことがあるんだ」
「お願い…ですか」
理事長は無駄にニコォとした笑顔で「じゃあ言うよ?」ともったいぶった言い方をした。
なんか嫌な予感がする…
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