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「…いらっしゃい。セリシアが来るなんて、珍しい。」
「久しぶり、楓。取り敢えず1週間分の食料ちょうだい。」
「…また引きこもるのね。別にいいけど。」
引きこもるとは失礼な。新しい魔法の研究とかだってしてるんだよ?たまにだけ。
「楓ちゃん今日も可愛いな~。お持ち帰りしたいくらい~。」
「…ネルさんも相変わらずですね。嫌ですよ。」
「むー、つれないな~。」
因みに楓は陰陽師、というちょっと特殊な魔法使いだ。
占いや呪いを得意とし、その最たるものが『式神の術』と呼ばれるもの。
正直よく分からないが、彼女も歴とした魔法使いであることに変わりはない。
長い艶やかな黒髪に巫女服が特徴的な女の子だ。私と同い年です。
説明し忘れていたが、ネルさんは修道服を着こなす金髪美人だ。中身は残念だが。
キラは…うん、茶髪の眼鏡っ娘って言えば分かるかな。真っ黒な服着てる。
「…はい、1週間分の食料。お金、払って。」
「ほい。これで足りるかな?」
実は私はそんなにお金に困ってはいない。ほら、有能な魔法使いですから。
「…まいど。また、1週間後。」
「あいよー。またね、楓。」
「また会おうね、楓ちゃん~。」
先ほどのやり取りで分かっただろうが、楓の家は店をやっている。神社兼で。
というかここの町、ってか村で食料売ってる場所はここしかないってのが困り者だ。
「あ、そろそろお祈りの時間だわ~。残念だけどまたね、セリシアちゃん~。」
「えぇ、また会いましょうねネルさん。」
さて、流石に家に帰ろうかな…。今日は疲れた。
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