始まり

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…ここは女郎宿。 銭の為に売られ、希に男に買われゆく…女達の地獄の地。 そんな中に、アタシもいる。 借金のカタに売られ、もぅ何年経つやら…。 日付なんてわかりゃしない。 アタシ達は、唯ゞ毎夜男を誘うだけ…。 此処で幾人の女郎が死んでいったろう。 此処から幾人の女郎が出て行けたろう。 此処で幾人のお子が埋められて逝ったろう。 着飾られた…【女】と言う商売道具。 男衆になぶられた痣は綺麗に白粉で隠して。 今宵は旦那様を誘えるだろうか…。
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