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「紫月…お前を…何故か護りたいのだよ…」
「旦那様…」
旦那様が一度躰を離した。
「紫月…泣くな…」
「え…?」
アタシは、解らないまま涙をこぼしていた。
その滴を、旦那様は優しく拭ってくれた。
そしてまたキュッと、アタシの躰を包んでくれた。
「旦那様…」
人の体温は…ここまで暖かかったろうか?
今までそんな事すら、感じる事は無かった…。
旦那様は…とても暖かかった。
いつしか、動かなくなっていた『心』が、動いた気がした…。
躰の中までも…これだけで暖かくなるなんて。
「旦那様…」
暖かい…旦那様に、今宵、初めて抱かれた。
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