808人が本棚に入れています
本棚に追加
/1202ページ
更衣室の鍵が音を鳴らした。
あたしは
佐々木さんと同時にそちらに顔を向け、
ぎぃーっと微かな音を立てて開いた扉から
予想していた通りの
すらりとした長身の人影が姿を現したのを確認して
心臓がきゅーっと縮み上がった。
「わ・た・し・も。
その話にはすごく興味があるんだけど?」
リボンタイのついた白いブラウスに
黒いベストと膝丈のタイトスカート。
佐々木さんが着ているものと同じ
フロアの制服に身を包んだ那美が
にこりと笑いながら更衣室から出てくる。
完璧な営業スマイルに
きっと佐々木さんは騙されてるだろうけど、
那美の瞳の奥はちっとも笑っていないよ。
てか、むしろご立腹。
最初のコメントを投稿しよう!