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だけど、 那美の顔を見た時に、 あたしの中に生まれたのは 安堵だったと思う。 滲んだ涙の訳は 心から信頼できる人を目にした甘えと、 そして ようやく現実に戻って来れたという 安心感からきたもので、 結局のところあたしはやっぱり 放課後の出来事をうまく心で処理出来ていなかったのかもしれない。 穂鷹が元カレからあたしを奪ったなんて噂は事実じゃない。 結果的に元カレと別れて、穂鷹と付き合うことになったけれど、 そこにどんな経緯があったかを知っているのは、 当人と ほんの少しの近しい人だけ。 だからね どんな噂を流されようと、陰口を叩かれようと構わなかったんだ。 あたしの大切な人たちが真実を知っていてくれるなら、 真実のほんの一欠けらしか知らない人たちが囁く噂なんて痛くもなかった。
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