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「ドチラサマデスカ?」
『……。
まじでごめん』
先ほどとは打って変わって周囲はとても静か、
もしかしたら速攻で移動して掛け直したのかもしれない。
『友達にケータイ強奪されたんだ』
「いいよもう。
それより用件は?」
短く嘆息して切り出せば、
スマホの向こうで王子がふっと笑う気配がした。
「なに?」
『用事がなきゃ電話しちゃダメなの?』
「無駄話は好きじゃないの」
『はは。イブらしい。じゃあ用件――』
……と言ったきりしばらく無言が続く。
完全に今用件考えてるでしょ?
ってくらいの間なんですケド?
「ないなら切――」
『イブは土日もバイト?』
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