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言葉を遮るように被せられた問いかけに
あたしは短く「ううん」って返した。
「試験前だからシフトは入れてないよ」
『ふぅん。
じゃあ一緒に勉強する?』
普通すぎるカレカノの会話だね。
「しない。自分のペースで勉強したいの」
『そうか。分かった。じゃあ月曜日に』
「うん」
『おやすみイブ』
「オヤスミ」
相手を想う気持ちなんか小指の先ほどもないのに
普通の恋人同士のまね事なんかして。
これで王子は満足なの?
ちっとも分からないよ……
体育座りした膝にがっくりと額を預ける。
「疲れた……」
王子の気持ちなんかあたしに分かるワケないじゃん。
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