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うー寝れん。
うー寝れん。
と、2・3度寝返りをうって
二度寝は諦めた。
まあ
昨夜は寝るのも早かったしな。
脇にある小窓のカーテンと窓を開けてベッドを下り、
南側の掃き出し窓も同じように開けた。
うっすらと明るい初秋の早朝は、
空気が澄んでいて、なかなかに心地よい。
南側には、隣の立派な一軒家に住む大家さんチの庭があるから
このアパート、ぼろいけど日当たりと風通しだけはいいんだ。
あたしは両手を天井に向けて大きく伸びをした後、
くるりと踵を返して隣の部屋とを仕切る襖に向かった。
「お母さん。開けるよ」
襖の向こうはお母さんの寝室だから一応声を掛けるけど、
着替え中でも『はーい』って声が返ってくるのは実証済み。
女の2人暮らしなんてこんなもんだ。
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