◆1◆

6/6
808人が本棚に入れています
本棚に追加
/1202ページ
そして、先ほどまで囁かれていた経歴を、 担任及び本人の口から聞かされることになった。 噂は概ね真実だったようだ……体裁的には? なんて補足してみたりする捻くれ者のあたし。 ともあれ、これはクラスの王子様確定ですな。 おそらくほとんどの生徒が、 教壇に立つ王子に目を奪われているだろう瞬間。 戻れなかったに一票―― あたしはといえば、 バカみたいにそんなことを考えていたりして。 興味なんかこれっぽっちも感じていなかった。 これが、あたしと西園寺零(さいおんじれい)との出会いだった。
/1202ページ

最初のコメントを投稿しよう!