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「ねえイブちゃん」
いつも穏やかな宮本の双眸が、思いつめた色を湛えて
真っ直ぐあたしに注がれる。
責められることなんか覚悟の上。
口汚く罵倒されても仕方ないと思ってここに来た。
だからあたしも、いつもより血色の悪い宮本の顔を正面から見つめ返した。
「どうしてあの時、自分から西園寺と付き合うなんて言ったの?
あのまま続けてもさ、たぶんタカに勝ち目はなかったよ。
けど、あんなのタカだって納得できないよ」
「続けたって結果が同じなら。早く決着をつけた方がいいと思ったからだよ」
あたしの答えに宮本はそれでも納得出来ないと首を振った。
「イブちゃんが喧嘩を嫌いなことも、血が怖いってことも知ってる。
もちろんタカだってそうだ。
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