◆7◆

7/33
前へ
/1202ページ
次へ
だから、 そういった理由で西園寺の条件を受け入れたんならそれも仕方ないと思う。 だけどさ。何でわざわざタカを傷付けるような言い方したんだよ」 宮本は一気にそう吐き出すと、 辛そうに顔を歪めて奥歯を噛みしめた。 「……ごめん。 イブちゃんだけを責めるのは間違ってるって分かってる。 最初に西園寺の挑発に乗ったのはタカの方なんだからさ。 けど俺は、 イブちゃんの最後の言葉に、タカは一番傷ついたと思う」 その言葉にぶわりと視界が滲んだ。 そんなこと知ってる。 あの時の穂鷹の打ちのめされた姿は 昨日からずっと脳裏に焼き付いたまま消えてくれない。
/1202ページ

最初のコメントを投稿しよう!

808人が本棚に入れています
本棚に追加