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視界は滲んだままだけど、
それでもまだ心には冷静な部分が残ってる。
感情的にならないように、
心を落ち着かせながら静かに問うと、
宮本は大きな衝撃を受けた様子で目を瞠り、
テーブルに肘をついて頭を抱えてしまった。
「経緯を知ってる宮本にだったら分かるでしょ?」
「もしかしてイブちゃん」
抱え込んだ猫っ毛を、両手でくしゃりとした宮本は、
何かに気付いたように顔を上げて
食い入るようにあたしを見つめた。
「イブちゃんがタカに壁を作ってた理由ってそれ?」
唇を噛んでぎゅっと眉をひそめると、
宮本は疑問を確信に変えた様子で身を乗り出した。
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