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「こんな形になっちゃったけど、 終わらせられて良かったって思う。 自分から手を離すにはあまりにも・・・・・ 居心地が良すぎた」 「……んで……っくしょぉ……」 再び頭を抱えて唸る宮本に、掛ける言葉はもう浮かばなくて、 あたしは両手で顔を覆った。 ごめんね。 今だけだから。 ごめん。 誰に向けてなのか、 自分でもよく分からない相手に許しを請いながら、 あたしは少しだけ心のブレーキを緩めた。 ◇◆◇◆◇ 「ごめんね。恥ずかしい思いさせたね」 ファミレスの駐輪場で原付に跨る宮本に、 あたしは「ホントごめん」と頭を下げた。 あたしが泣き止むまで辛抱強く待ってくれた宮本は、 その間とても居た堪れなかったと思う。
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