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「気にすんなって。誘ったのは俺の方だし。
まあでもこのファミレスはしばらく利用出来ねーけどな」
軽く笑い飛ばすようにそう言った宮本は、
その後、ぐっと表情を引き締めて言葉を継いだ。
「それからタカの怪我さ、
骨とか内臓は何ともないから、安心して」
「そっか。良かった」
ほっと息を吐いて、
あたしは緩んだ表情を隠すように俯いた。
手酷く振った相手の無事を喜ぶ感情さえも、
今は歪に思えて仕方がない。
そんなあたしの胸中を悟ってか、
宮本の手が労わるように頭に乗せられた。
「イブちゃん。あんまりさ、自分のこと追い詰めんな」
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