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無言で首を振るあたしの頭をぽんぽんと叩いて、 掌は離れて行った。 「西園寺とだって無理に付き合うことねえよ。 嫌だったら直ぐに別れちまいなよ」 「あはっ。そうだね。その手があった」 顔を上げて力なく笑うと、 宮本はいつもの彼らしくない厳しい口調で言い放った。 「西園寺にはあまり気を許すなよ」 「もともと信用してないし」 「言ったけど、 タカのケガびっくりするほど外傷のみ、 あんなに殴られたのに。 内臓とか眼球とか鼻骨とか、 故意に避けて殴ったとしか考えられないって。 タカ相手に、あんなちっせー身体でさ、 普通じゃねえよ」
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