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宮本は背後に行き交う流れに向けていた目をあたしに据えると、 何とも言えない表情で苦笑する。 「おかげでタカは月曜の試験も休まずに済みそうだけどさ。 プライドはズタズタよ?」 あの状況で、王子は冷静な判断が出来ていたってことだろう。 もし彼が本気を出していたら、 穂鷹はもっと早い時点で 立ち上がることさえ出来なくなってたのかもしれない。 そう考えると益々、 王子の異常性を強く感じてしまう。 「やっぱり、西園寺ってケンカ慣れしてるんだよね」 王子と穂鷹が行ったのは紛れもなくケンカというものだった。 詳しくは分からないけれど、 護身術などに用いられる、武道や武術と喧嘩は違うモノのはず。
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