◆7◆

17/33
前へ
/1202ページ
次へ
国内でも有数の名家の跡取りが、 喧嘩に慣れる環境にいるということが何だか信じられなくて、 今さらだとは思いながらも、そう口にすると、 肩を竦めた宮本からは、予想通りの言葉が返ってきた。 「相当場数踏まないと、表情一つ変えずに人を殴るなんてこと出来ねえよ」 「やっぱり。そうだよね」 激情に突き動かされた訳でもなく、 冷めきった表情で人を殴り、 同じ顔で砂糖菓子のような言葉を囁く。 西園寺零はそんなヤツだ。 はなから心を許すつもりはない。 身体は―― 別に今さらね。 どーでもいーや。
/1202ページ

最初のコメントを投稿しよう!

808人が本棚に入れています
本棚に追加