808人が本棚に入れています
本棚に追加
国内でも有数の名家の跡取りが、
喧嘩に慣れる環境にいるということが何だか信じられなくて、
今さらだとは思いながらも、そう口にすると、
肩を竦めた宮本からは、予想通りの言葉が返ってきた。
「相当場数踏まないと、表情一つ変えずに人を殴るなんてこと出来ねえよ」
「やっぱり。そうだよね」
激情に突き動かされた訳でもなく、
冷めきった表情で人を殴り、
同じ顔で砂糖菓子のような言葉を囁く。
西園寺零はそんなヤツだ。
はなから心を許すつもりはない。
身体は――
別に今さらね。
どーでもいーや。
最初のコメントを投稿しよう!