◆7◆

19/33
前へ
/1202ページ
次へ
「宮本。今までありがとうね」 きらきらと眩しい空から視線を戻して、 精一杯の笑顔を浮かべる。 「元気で」 「なんだよそれ。今生の別れみたいに言うなって。 そりゃあさ、これまで通りって訳にはいかねえけど。 同じ学校なんだから、顔だって合わすだろうし、 挨拶くらいしたってタカも文句は言わねえよ」 「そうかな?」 「おう。気にすんな」 なぜだか胸を張って威張る宮本に笑いが込み上げる。 君は本当に良いヤツだ。 「じゃあ。ばいばい。宮本」 「またな」 ヘルメットを被った宮本に手を振って、 あたしはファミレスの駐輪場を後にした。
/1202ページ

最初のコメントを投稿しよう!

808人が本棚に入れています
本棚に追加