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ううー。 「やっぱりオバサン臭放ってるんだ」 っていじけてると、 「そういう意味で言ったわけじゃないから」 ひとしきり笑って、 ようやく笑いを収めた那美は、 食事を再開させながらフォローめいた事を口にした。 「じゃあどういう意味なのよ」 「んーだから。家庭的だよなーってね」 微妙―― 家庭的って言われて喜ぶ女子高生っていますかね? あたしの不満顔をぷっと笑って那美は言葉を継いだ。 「衣舞って顔の作りが派手じゃん」 パパ似だからね。 「だから家庭的にも見えないし、色々損してるよなーって思うわ」 「そん? してるかな~?」 「してんじゃん。その外見で何度痛い目にあったよ。 中学に入学早々、先輩に呼びつけられてたじゃん」 「あーあったねぇ。 『生意気なんだよ』って髪の毛引っ張られたんだ」
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