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「ごめんじゃなくてー
そんな何考えてんのか分かんないようなヤツと付き合ったりしたら
衣舞だってどんな目に合うか分かったもんじゃないじゃん」
「うん」
「うん。って衣舞。危機感ないでしょー」
あー確かにないね。
「今『たしかにない』とか思ったでしょー」
はは。さすが那美さんだ。
「そんなことないって」
怒らせた顔をづいっと近づける那美の肩を、
やんわりと押し戻す。
那美は不満げに唇を尖らせて、
テーブルのゴマ煎餅に手を伸ばした。
「そもそも北川にケンカ吹っかけて無傷で勝つなんて
いったいどんな野獣よ!」
パリン――ポリポリ。
小気味いい音をたててお煎餅を貪る那美に苦笑を向ける。
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