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「それがねえ、野獣っていうより小柄な王子様よ? 身長なんか那美と変わんないくらいだし」 「は? 私、165cmだよ?」 「うん。多分同じか、少し低いくらいかも?」 「はぁ~!?」 うん。信じられないよね。 唯一、目視できた王子の腕は確かに筋肉質で、 中性的な見た目とのギャップはそれなりにあった。 だけどね、 それでも所詮は身体相応の太さなわけで、 身長差20cmくらい? 腕だって倍くらいの太さがある穂鷹が 一瞬の勝機もなく負けるだなんて誰が想像できるだろう。 「なんか、めっちゃ怪しいんですけど? 北川変なクスリとか使われてないよねー」 胡乱な眼差しであたしを見る那美。 なるほど、そこ疑うか。
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