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「そっかー そろそろ留学先から帰ってくるって話は耳にしてたんだけど。 やっぱセイショウには戻らなかったんだ」 「セイショウって誠聖学院のこと?」 あたしの問いに那美が短く頷いた。 それだったら那美が王子のこと知ってるのも納得だ。 那美が通う西高と誠聖学院は最寄り駅が同じはずだった。 西園寺くらいのネームバリューがあって あのルックスの持ち主だったら噂なんか山とあるだろう。 それにしても誠聖学院って言ったら 文武両道に長けた良家の子息が通う名門校だったはず。 「まさかキサガクに転入してたとは初耳だわー」 那美は両手で抱えた膝に顎を乗せてぼそりと呟く。 よりによってハキダメに転入とは―― もしかして言外にそう語ってる? あたしも同感だよ。
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