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「衣舞に何かしら通じるものを感じたってことかな……」
天井辺りを見るともなく見やりながら、
那美がぼそりと漏らした言葉に、
王子を嘲笑ってたあたしの頬――
強張ったから!
「は?」
て言うか
一度スルーした部分
わざわざ掘り下げますか?
手酷くフラれた者同士ってことですか?
あたしの中であの時の傷はまだ完全には癒えてはいなくて。
そんなことも全て承知している那美だから、
きっと軽い気持ちで言った訳じゃないってことも分かる。
だけどやっぱり出来ることなら触れて欲しくない話題だし、
昨日のことも相まって、一応ナーバスにもなってるみたい。
「一緒にしないでよ」
言い放った声は、思いのほか硬かった。
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