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「妙なこと?」
「だって自分から北川に喧嘩ふっかけるなんて、
やっぱり何か思惑があるとしか思えないじゃん」
「まぁーそうだろうけど・・・・・・
あーもしかして」
あたしはぽんと手を打って、
神妙な顔をする那美に向き直った。
「西園寺ってあたしの噂、信じ込んでるみたいなのよ。
男を決闘させて勝った方と付き合う女なんて最悪じゃん?
あいつがどんなフラれ方したのかは知らないけど、
もしかして、あたしをその相手にダブらせてぇーの復讐とか?」
もやもやしてたものが、すーっと晴れた気がして、
珍しく饒舌に言い放つと、
あらら、那美さん。
なんだか呆れた顔になったんですけど?
「あんたやっぱ危機感ないでしょ?」
あー。しまった。
それからはお説教タイムに強制突入。
自力で瞼を持ち上げられなくなるまで、
婦女子たる者の心得云々を
こんこんと言い聞かされたのでした。
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