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両側に3列ずつならぶ個室の
向かって右側はパウダースペースから死角になる。
更にあたしは一番奥の個室に籠ってるから、
きっと人がいることにも気付いてないんだろう。
声を落とすことなく続けられる会話に、
あたしは指先をぎゅっと握った。
「で、自分は無傷って、王子どんだけ強すぎなん?」
「だよねぇー」
「それにしてもトーノイブ何様って感じじゃねー?」
「あーねー。ほんとムカつく。
ちょっとくらい綺麗だからって調子のんなっ!!」
調子のってねーわっ!
てか自分の顔嫌いだし。
「きゃははっ。それ直接本人に言いなよ?」
聞いてるけどね。
「えーやだー。王子に嫌われちゃうー」
いやいや。むしろ喜ぶんじゃない?
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