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それにしても。
あーあ。
ますます出られなくなった。
こっそりとため息を吐きだして、
仕方なくもう一度便座に座りなおす。
「付き合う相手、殴り合いで決めさせるなんて
神経おかしいんじゃないのアイツ」
はいはい。
何とでも言って。
「王子もよりによって
あんな内面ブス女選ぶとはねー」
はは。内面ブスだって――
アナタ、あたしの内面語れるほど親しいんだ?
「女の趣味悪すぎー」
あらら。
王子、評価下げちゃってんじゃん。
あたしなんかに関わるからだし。
自業自得?
完全に開き直ったあたしは
本人が聞いてるとも知らずに飛び交う雑言に、
心の中でツッコミをいれたりして、
いっそこの状況を楽しんじゃえ♪
ってノリ。
自分に対する誹謗中傷を余裕で聞き流せるくらいには
心はとっくに麻痺していて、
いちいち胸を痛めるなんてことはない。
はずだったんだ。
次の言葉を聞くまでは――
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