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騒々しさに取って代わった静寂に包まれる中、 ぎゅっと噛みしめていた唇を開いて長い息を吐きだす。 「笑うなばぁか」 父親を喧嘩で亡くして、 それを目の前で見てたあたしが 殴り合いを楽しめるって? そんなことを本気で信じられるなんて、 そっちの方が神経疑うわ。 ナツミね。 そういえば入学してすぐの頃少しだけ仲良くしてたな。 例の噂が流れて、あたしがクラスの除け者になった途端 よそよそしくなってっちゃったケド。 パパの事件はニュースでも取り上げられたし、 地元ではわりと有名な話だったから、 仲良くしてたらいつか耳に入るだろうと思って あたしから話したんだっけ。
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