◆9◆

13/30
前へ
/1202ページ
次へ
「あ、ちょっと待ってよイブ。冗談だって」 言いながら正面に回り込んできた王子は、 困ったように眉を下げて、あたしの両肩を掴む。 「直ぐに準備するから座って待っててよ」 「ドコに?」 即座に問うと、 眉を上げた王子は、あたしの頭上から室内を見回した。 それ意味あんの? 見回すまでもなく、 室内にはベッドと床しかない。 それならば床で全然構わないんだけど、 とりあえず王子の返答を待った。 無意味に室内を見渡して肩を竦めた王子は、 あたしに視線を戻して、こてんと首を傾げる。 そーいうかわいこぶった仕草 あたしをイラつかせるだけだって いい加減気づこうよ。 てか、きっとわざとなんでしょうけどね!
/1202ページ

最初のコメントを投稿しよう!

808人が本棚に入れています
本棚に追加