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「ベッドはご不満?」 あ・た・り・ま・え・だ! 薄茶色の双眸を無言で睨み上げるあたしに、 王子はふわりと笑って、 「じゃあこっちね」 と、部屋の右側に足を進める。 右側のスペースはL字型になっていて 入口からは死角になった部分がキッチンになっていた。 こちら側とキッチンを仕切るようにカウンターがあって―― 「ここに座っていい子で待っててね?」 カウンターの手前には 座面と腰当ての部分が黒いレザーのカウンターチェアが2客置いてあった。 「椅子あるんじゃん!」 「うん。あったね」 良かったねイブ。 なんてうそぶきながら、王子は部屋を出て行った。
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