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がくんと項垂れて、ため息を吐きだす。 この主婦寄りの思考なんとかしたい。 まずなにから直すべきか―― なんてことを考えていると、 私服に着替えた王子が、 何やら両手に抱えて戻ってきた。 「イブごめん。このラグ敷いてくれる?」 そう言われてよくよく見ると、 王子が持ってきたのは折れ足式の木製テーブル。 その上に畳んで乗せられてるのがきっとラグマットだ。 「どの辺りに敷けばいい?」 ラグを受け取って室内を見渡したものの、 スペースがありすぎて、どこに敷けばいいか見当もつかない。 王子を振り仰いでそう問うと、 耳を疑う答えが返ってきた。 「どこでもいいよ。どうせまた片づけるし」 「は?」
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