808人が本棚に入れています
本棚に追加
「んー。て言うかさー。
もうちょっと生活感がある部屋にした方がいいのかなー……
とは思ってたんだよね」
「王子が今のままで良ければ生活感なんていらないんじゃないの?
だって――」
この部屋で生活してる訳じゃないんだし。
続けるはずの言葉は王子の非難の声に遮られた。
「イーブー。王子禁止だって言ったよねー」
「そだっけ?」
白々しいってことは承知でとぼけると、
むくりと上体を起こした王子は、
テーブルに身を乗りだしてじっとこちらに視線を据えた。
「今度王子って言ったらベッドに運ぶよ?」
そのセリフに、
「……ぷはっ」
あたしは堪えきれず噴き出した。
最初のコメントを投稿しよう!