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「そんな脅し文句はもっと清らかな女性に使うべきだよ」
笑いながらそう言うと、眼前の双眸がすぅっと細められた。
「へえー」
薄い唇が弧を描いて、含みを持ったその表情に
あたしの顔から笑みが消えていく。
「じゃあイブはそのつもりでここに来たんだ?」
「そんなつもりじゃなくても覚悟が全くなければ来ないでしょ」
他の子のことは知らない。
だけど、あたしにとって
カレの家に行くっていうのはそういうことだ。
もちろん、
勉強だけで済むなら、それに越したことはないけど。
そんなあたしの返答に王子がくすりと笑みを漏らす。
「前カレと別れたばかりなのに?」
「……」
「イケナイ子だね。イブは」
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