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「いーぶー。少しぐらい抵抗するとか、恥らうとかしようよー」
いつもの調子で放たれた言葉。
だけど胸中では別のことを考えてんでしょ?
別に知りたいとも思わないけど。
お互いの体温を感じるほど身体は密着していて、
顔だって今にも鼻先が触れそうな距離だけど、
きっとあたしたちの心には途方もない隔たりがあるんだろうね。
「そういうのがお好みだったの?
ではイゴキヲツケマス」
て言うか『以後』がないことを期待します。
つまらない女だって分かったでしょうし?
そんな思いで放った言葉に、
王子は盛大な溜息を吐きだして、
隣にごろんと身体を仰向けた。
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