◆10◆

2/30
前へ
/1202ページ
次へ
勉強を終えた後、 ホテルみたいなエントランスを抜けて 連れて行かれたのは、 繁華街の中心から少し外れた所にあるビルだった。 王子のマンションからはのんびり歩いても5分程度の所だ。 この辺りでは比較的大きな駅の近くということもあって 街の中心部は常に人で溢れ返った喧騒の絶えない所だけれど、 住宅地に差し掛かる手前ともなると行き交う人も少なく、 軒を連ねる店舗は皆落ち着いた雰囲気の店構えをしている。 「友達の家に行くって言わなかったっけ?」 「ん。だからココ。友達ン家」 「どこがよ!」 目の前のビルは 地下1階から地上3階までが商業用で 4階から上は居住用になっているみたいだけれどもね。 ここは地下へ下りる階段の途中。 眼下にあるシックな黒いドアの上には モノトーンの看板が掲げてあるワケ。 【Dining&Bar・TIME】ってな。 これが友達の家ってか!
/1202ページ

最初のコメントを投稿しよう!

808人が本棚に入れています
本棚に追加