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足と手首から先しか動かせない状態で
必死に身じろぎして抵抗を試みるけれど、
この男、なんでこんなにバカ力なの?
全く抵抗になってないんだけど。
「ベッドの中でいっぱい零って呼ばせれば良かった」
耳朶に口を寄せて、吐息ごと甘く囁かれる。
「何言ってんのよ。そんな気もなかったクセに」
「あったよ。やる気満々だったし。
なんならここで続きスル?」
ちょっとだけ身体を離して、
嬉々とした表情で顔を覗き込まれる。
「はぁー? ばっかじゃ――――」
罵倒の言葉を吐きだしながら、
不意に流れた王子の視線を辿ったあたし。
志し半ばで
声も、
抵抗する力も、
そして思考も、
フリーズした。
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